「いつも綺麗に使っていただき、ありがとうございます」
皆さんもどこかで見たことがあるかと思います。
そうです。コンビニやスーパーのトイレなどによくあるアレです。
これは、感謝の力と心理をうまく活用した言葉なんですね。
「トイレは綺麗に使いましょう」
「トイレを汚してはいけません」
などおなじみの言葉を含めたいくつかのパターンで実験を行い、一番効果が高かったのはこの感謝のフレーズなんだそうです。
このように、物事には目的があって。
そしてその目的を果たす手段として効果的なものを選ぶことが大事になってきます。
今回は表題のように、怒ることと叱ることについて、過去に実際に相談を受けたケースも踏まえて考えてみました。
目次
相談内容
「新人を部下に持つことになって、その子が
よく失敗する。それに対しての怒り方がわからない」
※中身は少し変えています。個人的な相談に関しては外部に漏らさないと約束をしています。
現状
叱っているところをみてみたところ。
新人の子はべろべろに泣いていました。
叱る、より怒るの表現がぴったりの言葉をぶつけていました。声を荒げ、お前がやったことで俺がどれだけ上に言われてるかわかるか!と激しく罵り。
だいぶ昔の話です。今では完全にパワハラです。
まずは目的を明確に
最初にすることはこれだと思います。
今回のケースの場合、目的は新人のミスを減らすこと
手段はそのあと考えることです。
そこを履き違えてはいけません。
考えるべきは、怒り方や叱り方ではなく、どうすれば新人のミスを減らせるか、です。
ミスさえ減れば、叱る必要はありません。
怒ると叱る
怒る
怒りをぶつける
叱る
愛情と目的を持って強い口調で指導する
こんな違いがあります。
怒ることの効果
私も、怒られて育ちました。
しかし、怒られた内容はほとんど覚えていません。
私の場合は怒られることによって、なんだか許されたような気がするんです。もう罰は受けたんだと。これだけ言われたんだから、と。
だから、そこで終わってしまうんです。
次に似たような場面で思い出して行動を改めることはありました。しかしその怒る人がいなくなった途端、元に戻ります。なぜなら、怒られないからです。
もちろん、怒られて伸びる人もいるでしょう。否定はしませんし、私自身怒ったり叱ったりするのが苦手なのでしっかりとモノを言える人は尊敬します。
指導方法は様々
現代には様々な指導方法が浸透してきました。
先日お亡くなりになった、マラソン界の名監督である小出監督は、叱らない指導の本を出しましたね。シドニー五輪金メダリストの高橋尚子選手を育てた功績は皆さんもご存知かと思います。
他には、青山学院大学陸上競技部、駅伝で有名な原晋監督。
この方は選手の自主性を重んじ、自らに考えさせる指導を行いました。結果は箱根駅伝の歴史的な三連覇、大学三冠という大きな功績を残しました。
あくまで目的を見据え、そこに至る手段として指導や叱り方があります。
叱り方、指導の仕方とは
上記のお二人の名監督の考え方を借りると。
相手と向き合うことの重要さが見えてきます。
指導した結果行動を変えたり目的に向けて動き出すのは自分ではなく、相手なんです。 つまり相手の目線に立つことが非常に大事になってきます。
この段階で、先ほどの相談内容にあったような怒りをただぶつけるような罵りは、ほとんど役に立ちません。
自分はすっきりするかもしれませんが、目的に近づく可能性は低くなります。
同じ失敗を繰り返さない
これは私なりの方法ですが。
失敗したこと自体はもう取り返すことはできません。
大事なのは、これからどうするかです。
今回はなぜ失敗したのか。
同じ失敗をしないためにはどうしていけばいいのか。
失敗を責めるのではなく、これをいかに次に繋げるのか。それを相手に伝えることが必要かなと思います。
指導する立場として、同じ目線で寄り添い、共に歩む。
ここが大事かと思います。
誰だって、失敗して成長するんです。
おわりに
ちょっと話がブレましたが。なんとなく職場で怒られてている人を目撃して、こんなことを書いてみたくなりました。
人と人。社会は沢山の人と、人間関係が作っています。
学校の勉強ではあまり教えられることはないんですが、こういうところを学ぶことはとても大事なんじゃないかなあと思うんです。
なにがし。