他人に迷惑をかけたくないという考えは、無駄。
と私は思います。思い始めました。
私は、他人に迷惑をかけたくないと思って生きてきた。
一人で何でもできる、一人で生きていける、
そんな傲慢な考えは無いけれど。
せめて、迷惑ぐらいはかけないように。
自分の尻拭いは、人にさせないように。
最低限、自分で責任が取れる範囲で。
そう考えて生きてきた。
けれど。
思い返せば、それすら無理だった。
大なり小なり、自分の失敗で尻拭いを人にさせてしまったことはある。
自分がした失敗で、指導係の先輩が上司に五厘刈りにさせられたこともあった。
無理だ、と思った。
他人に迷惑をかけない。
そんな考えは、無意味だった。
言い換えれば、
他人に寄りかかることを拒むということ。
それは実に、寂しい存在なのではないか。
そう感じたんだ。
思い返せば、私が出会った人たちは。
私にゴリゴリに迷惑をかけてきた。
身を挺して庇ったこともあった。
代わりにおっかない上司に怒られたこともあった。
でもその分、好きだった。かわいいと思った。
同僚でも、後輩でも。
迷惑をかけられた、という出来事は覚えているけれど。 それが嫌だったという認識はほとんどない。
今更になって、そんなことを思った。
私が拒みに拒んだ、人に迷惑をかけないということは。
結果、そんなに良いものではないと思う。
過度に、迷惑をかけるのはもちろんいけない。
お金を借りるとか、トラブルに巻き込むとか。
それはダメだけれど、そんなに気を遣うものでもない。
むしろ、ちょっと迷惑をかけるぐらいが、人として愛嬌が出る。
結婚できない男、というドラマが今やっている。
イメージはあんな感じだ。見てないけど。
一人で何でもやろうとする、できるが故に。
他人の介入が無い。少ない。
阿部寛ばりの男前なら人は寄ってくるかもしれないが。
私のようなパンピーには物好きしか寄ってこない。もちろん、それはそれで有難いし、そういう人間関係は深く、楽しい。
でも、今思うと。
物好きというか、私が弱みを見せた人たちだなぁと思う。やっぱり。
迷惑をかけることで培われる信頼関係もある。
そういうことなのかもしれない。
もう一つ、考えてみた。
学校の、クラスの人気者だ。
何となくだけど、お調子者で。
テストの点数もそんなに良くなくて。
そんな子が、人気だった。
見た目もあるけど、人気者とはちょっと違う。
面白いことを言おうとして、スベったり。
調子に乗って、先生に怒られたり。
そんな子は、人気だった。
他人に迷惑をかけまいと、可もなく不可もなく静かに、やんわり生きてきた私はそんなにみんなの記憶にないだろう。クラス会怖い。
授業を邪魔するくらいの元気がある方が。
良くも悪くも人の心を動かす。
もちろん、真面目に勉強したい子は嫌だったかも知れない。
でも、圧倒的多数に人気者は讃えられる。
他人に迷惑をかけることと、嫌われることはイコールじゃない。
だらだらと書いたけれど。
他人に迷惑をかけたくないという考えは無駄です。
ということです。
ただし、強い意志を持って他人と深く関わりたくないと思うなら、この考え方は有りかなと思います。
そうじゃないなら、無駄です。
迷惑をかけられないことを喜ぶ人は、
そんなにいないんです。
そして、迷惑をかけられたから即嫌いになるかと言われると、そうでもない。
子どもの頃、教わりました。
「たにんにめいわくをかけてはいけません」
えぇ。これは罠です。
真面目で不器用な人間が、生きづらくなる為の罠。
人として生まれた以上、他人に迷惑をかけないのは無理なので。
諦めてもいいと思います。私は諦めようと思っています。
これからは。
節度を持って、適度に他人に迷惑をかけつつ生きていきましょう。
なんて。
でも、それぐらいが、丁度いいんじゃないかなぁと。
思います。
あ、繰り返しになりますが。
お金を借りるのは、やりすぎなのでダメですよ。
それだけは忘れずに。
なにがし。