ちょっと難しそうなワードですが、こいつは結構なワルです。
本当に、様々な悪さをしてくれます。
今日はそんな確証バイアスについて、語ってみたいと思います。
人間は、思い込む
例えば。
自分の部屋やデスクを掃除して、要らないものを捨てたとしましょう。
そういうものに限って。
後から突然必要になったりしませんか?
そういう経験がない人にはあまりしっくりこないかもしれませんが。
一度でも経験があると、あーそうそう、と思ってしまうかと思います。
確証バイアスとは
人の記憶は時にとても高性能と言われますが、案外そうでもない場合も多いです。
先ほどの例で言うと。
要らないものを捨てた後に、やっぱり必要になってしまった場合と。
要らないものを捨てて、そのまま何事もなかった場合。
前者は感情を伴い、他の出来事と結びつくので記憶に残りやすいんです。
後者は逆に、何事もないので記憶に残りにくかったりします。
いつもと同じルーティーンをこなし、何気なく終わった日の記憶があまり残っていないのと一緒で。
先ほどの例を極端に書いてしまうと、
要らないものを捨てた後にやっぱり必要になってしまった、と言う出来事を覚えている割合がどうしても高くなるんですね。
もっともっとたくさんのものを当たり前に捨てているはずなのに。
そこから。
「ものを捨てた後に限ってそれが必要になる」という考えが生まれます。
ざっくりですが、こういう思い込みの類いを確証バイアスと言います。
様々なものに関わってくる確証バイアス
確証バイアスは様々なものに関わってきます。
生活、仕事、人付き合い。なんでもそうです。
何度か起こっただけの過去の経験を過大に評価し、それこそが真理と言わんばかりの考え方に陥ってしまうのです。
過去の経験は大事なもの
とはいえ、過去に実際に経験したものはその人にとっての財産です。
バイアスだろうとなんであろうと。
実際に経験して、またそれがその通りになるかもしれないと感じることはとても大事です。
だから、何でもかんでも思い込みはいけないよと言うつもりはありません。
自分で確証バイアスを感じ取ることは中々難しいものはありますが、
その記憶自体は当たり前のもので。
大事なのはこういうものとどう付き合っていくのか、と言うところだと思います。
真実を見通す目を養う
ここからはそういったものとの付き合い方を少し考えてみようと思います。
確証バイアスとの付き合い方の大事なところは、根拠だと思います。
最近話題の新型コロナ関連の話を例に考えてみました。
マスクは、飛沫感染の防止には有効だとされていますが、その場に漂っているウイルスには効果がないそうです。
マスクの繊維の目は、コロナウイルスの大きさよりずっと大きいのでウイルス自体を止めることはできません。
これが、根拠になります。(WHOの情報なので間違いはないとは思います。一応ですが。)
確証バイアスのみでこのマスクについて考えてみると。
マスクをしているから多少の人混みでも大丈夫などと思ってしまうことだと思います。
なんとなく。
大きな病気にかかったことがない人は、マスクさえしていれば大丈夫かなという思考になってしまいがちです。
今回のようなパンデミックはそうそう起きるわけではありません。
記憶にあるのは、SARSやMARSなどでしょうか。
多くの人はそういったものに感染した記憶そのものがないので、
マスク=安心という感覚が勝ってしまうのだと思います。
そうなった経験はない。
だから大丈夫。
この根拠のない自信が、いわば確証バイアスとの悪い付き合いの例です。
こうならないためにも。
なるべく、然るべき情報源からの客観的な情報を集める。
根拠に基づいて行動する、考えるというのが確証バイアスとの上手な付き合い方につながると思います。
おわりに
直感や経験ももちろん大事なのですが、それだけに振り回されるのは危険です。
思いも寄らない、思考の落とし穴があったりします。
だから、客観的事実も横に置いて考えるということは無駄ではないと思います。
よくある悩みとして多い、親の考えとの相違もその一つです。
まだ学生の子の多くは親の庇護下にあるので、親は子が自分の思う通りになってほしいと考えがちです。
親は親で、経験として持っているものはある。
しかし子はその経験がないので、それがなぜそうなのかが分かりません。
頭ごなしに命令のように言われても、お互いの気持ちは近づかないんです。
認知や確証バイアスのぶつかり合いとでもいうのでしょうか。
そういう場合、やはり根拠というのは大きな架け橋になります。
なぜ、どうしてそうなのか。
人の経験は尊いものだと私は思いますが、それはその人だけのものでもあるので。
それを是として他人に押し付けようとしてしまうと、良い結果には繋がらない場合が多いです。
そんなことも踏まえて、伝えたいなぁと思いました。
なにがし。