私の住んでいる田舎には、高いビルなんてありません。
田んぼの広がる場所だと空がバーっと見えます。
そこで、景色を眺めていると。
自分のいる場所は晴れていても、
遠くの方では雨が降っているのが分かります。
逆もまた然り。
今日はあの辺は雨なんだなぁ。
今日はこっちだけ雨なんだなぁ。
そう言うことがたまにあります。
そんな景色を見るたびに思います。
人の世もまた、こんな感じだろうと。
今日はあの人はつらそうだな、とか。
今日は自分にとっては苦しい日だとか。
他の人は良いんだろうな、とか。
あの人は、今日は荒れてるな、とか。
今日はお互い平和だったな、とか。
自分の立ち位置は自分のものでしかなくて。
他人の立ち位置もその人のものでしかなくて。
それぞれ違います。
どちらかが荒れているか、どちらも荒れているか。
どちらも晴天なのか。
そんな毎日が、人の世の至る所で。
神様が賽を振るのか、見向きもしないのか分かりませんが。
人間には及ばない大きな何かで繰り広げられているのだなぁと感じます。
人間万事、塞翁が馬。
人事を尽くして天命を待つ。
最後の最後は何が決めるかなんて誰にも分かりません。
だから。
苦しい時に。
自死は選ばないでほしいな、と私は思います。
これは残酷な言葉であることは承知の上です。
この気持ちは、逃げたいと言う気持ちは。
私も痛いほど分かるつもりです。
今日が最悪だと思っていても。
記録更新さながら、もっと最悪な明日は余裕でやってきます。
その気持ちも分かります。
でも。
それは、生きてみないと分かりません。
生きて明日を迎えないと分からないのです。
今までの境遇を全くそのまま大逆転させるような日もまた、
生きないと分からない。
今までの境遇がちょっとだけ報われるような出来事もまた。
生きないと分からないんです。
明日は、違うかもしれない。
いくら苦しんでも、命を絶ったら一緒です。
だったら。
もう少しだけ生きてみてもほとんど一緒です。
死ぬのはいつでもできます。
だからもう少しだけ。
私を一人にしないでほしいと思います。勝手ながら。
そういう人生を共に。
もう少し。
一緒に楽しんでみませんか。
なにがし。