「踏んだり蹴ったり」
「泣きっ面に蜂」
これらは、よく大変な目に遭った後にまた別の辛い思いをする、みたいな意味合いの言葉ですね。
大体が、いい意味では使われません。
ですが私は、割と貴重な経験なんじゃないかな、と思うんですよ。
こういうこと書くとですね、
何やら冷たい人間じゃないか、と思われるかもしれないんですが。
これ、割とあることなんじゃないかなと私の人生経験を掘り起こして思うんです。
朝、会社を遅刻した上に財布を落とすとか、
車で事故に遭った挙句に友人と大喧嘩するとか。
風邪を引いたその日に虫歯も痛み出すとか。
自分だけでなく、身の回りの人から聞いたエピソードも含めると、
かなりいろんなことが思い付きます。
こういうことって、重なるんですよね。なぜか。
私たちが「泣きっ面に蜂」という言葉を知っているからこそ、
大変な目に遭った後というのは嫌なことが起きるもの、というアンテナが立っているからなのかもしれません。
しかしですね。
こういう経験はなるべく無駄にしないのが私の信条です。
これっていわば、限界突破後の筋トレみたいなものなんですよね。
筋トレ界隈ではよくやるものらしいんですけども。
もうダメだ、と思ってからの一回、二回、最後のダメ押しでもう一回、なんてことは。
自らの限界を引き上げるのに効果があるそうなのです。
100メートル走における「10秒の壁」も同じ。
限界の向こう側に立った時に、人は初めて「そこが限界ではなかった」と知るのです。
辛くても苦しくても、それは同じ。
そこから少しだけ強くなった自分と、今度は生きていくと考えれば、
踏んだり蹴ったりもいいものなのではないでしょうか。
なんて。
そんなことを思った今日でした。