人は、思い出を美化し、すがりついてしまうものです。
しかしながら。
世の中、進んでいて。
過去の栄光なんてなんの価値もないこともしばしばあります。
昔はこうで。
その考え自体は立派だとは思います。
その頃と今では、情報量が違う、環境も違う。
その中で結果を残したならそれはそれで当然すごいことなのでしょう。
例えば、スポーツの世界然り。
世界記録なりなんなり。
当時の栄光、今も破られていない記録。
でも。
それを今と比較してはいけないと私は思うんです。
野球を例にしてみましょう。
ホームラン〇〇本。
私は何十年前にこれだけ打った。すごいことだ。
記録は未だ破られていない。だからすごい。
なんて話があるとします。
確かにそれはすごいんです。間違いなく。
決して過去の栄光をバカにしようとは思いません。
でも。
そこから。
最近の選手は〇〇本も打てない。
鍛え方が足りない。
私はこんなトレーニングをして云々かんぬん。
なんて言ってしまうと。
いやいや今は何十年前より投球スピードが違うのに、とか。
新しい変化球が増えてるんだ、とか。
ルールがこう変わった、とか。
球自体が飛ばなくなっているんだ、とか。
言われてしまうんです。
何事も、単純に比較なんてできないんです。
それを理解せず。
自分の記憶だけで物事を捉えて話してしまうと、
角が立つわけです。
今は今。
昔は昔。
今は現役選手が主役です。
ならば現役選手にしか分からないことがあるはずです。
その領域を侵しては、他から攻撃されてしまう可能性が出てきます。
どうあっても。
これは、なんでもそうです。
昔は悪さをしていた。度胸があった。
こんな悪いことをしていた。
そんな過去の自慢もあるかと思います。
私は、繰り返しますがそれはそれでいいと思うんです。
格好いいじゃないですか。
パンクで、反骨心にあふれた青春だっていいと思います。
しかし。
それを担ぎ上げて現代の若者を貶めるのは、やっぱりどこか違和感を感じてしまいます。
昭和の時代ならば、ちょっと悪いことをするぐらいがちょうど良いでしょう。
最近の、昭和の時代の再現VTRなんかは必ずと言っていいほどタバコが出てきます。
タバコをふかす大人に憧れ、小さい頃から真似をしていました。
しかし今は。
タバコを吸う大人に憧れる子はかなり減ったと思います。
むしろ嫌悪の対象ですらあります。
これだけでも、時代の変化を感じているはずです。
当時とは別物だと、感じているはずなんです。
でも。
タバコを吸わない=真面目ちゃん、みたいな。
そういうところで人を評価してしまう。
過去を引き合いに出して、現代の価値観を無視してしまう。
そんな言葉を言ってしまう。
今はスマホでなんでもできる。
あの頃は携帯電話もなくてなんとかかんとか。
そんな言葉も同様です。
今は今、昔は昔。
昔は無かった、スマホがあるからこその悩みや苦しみだってあるんですから。
簡単に比べられるような世の中ではないと私は思います。
言いたくなってしまう気持ちも分からないでもないのですが、ね。
今日はそんなことを思った日でした。
なにがし。