人の手のひらから指先までは、大きい人で20センチと少し。
でもその20センチが、たくさんの物語を生み出します。
言葉や物語、愛情のこもった手紙を書くのも。
楽器に触れ、美しい旋律を奏でるのも。
人の命をつなぐ、食べ物や料理を作るのも。
誰かを思い、服を縫ったりするのも。
愛する人に触れるのも。
人を傷つけるのも。
傷口に触れるのも。
そして新たな命に、一番最初に触れるこの世のものも、手。
手は、素敵だなぁと思うのです。
わたしの友人が、手が好きな人で。
よく言っていました。
「あの人の手はゴツゴツしていて、仕事をたくさんしてきた手」
「あなたの手は汚れていなくて、綺麗な手」
そんなことを言われて、ことあるごとに手を汚していたのを覚えています。
本当は、きっと。
汚れていないから悪いと言いたかったわけではないのだろうけれど。
おバカなわたしは、手や爪を仕事の道具でボロボロにしていました。
本質は、そうじゃないとも気付けずに。
あなたの手は、綺麗ですか?
汚れていますか?
何をして、何に触れ、どういった思いで生きてきたか。
そこにきっと、「心は宿っている」
なんて、思うのです。
なにがし。